TECHNOLOGY ORIGINS
技術開発の原点
アプリケーションを作るだけでなく、
アプリケーションを作る仕組みを考える。
TECHNOLOGY ORIGINS
アプリケーションを作るだけでなく、
アプリケーションを作る仕組みを考える。
1980年代の構造化COBOLや分散ウィンドウシステムから、1990年代のイベント駆動型開発基盤、現在のAI活用まで。代表者の技術思想と開発の歩みを紹介します。
代表者の技術開発には、1980年代から続く一つの問題意識があります。
「もっと合理的な仕組みはないだろうか?」
個々のプログラムを改良するだけではなく、プログラムを作る方法、アプリケーションを実行する環境、情報や処理を定義する仕組みそのものを考える。
その発想は、現在のAIを活用した開発にもつながっています。
ここで紹介する1980年代からの歩みは、代表者個人の開発経験です。Aqua Bouche Systems合同会社は、2000年設立の有限会社アクア・ブーチェから、情報システム開発・エンジニアリング部門を分離し、2026年1月に独立した法人です。1980年代の開発に関する記述は、代表者本人の説明に基づきます。
代表者が仲間と最初に設立した会社では、「アプリケーション構築ツールを開発する」ことを基本コンセプトとしていました。
当時はCOBOLが企業システム開発の中心にありました。
そこで、プログラムの制御構造をより明確に表現するため、独自の「構造化COBOL」を定義しました。
さらに、その記述を通常のCOBOLソースコードへ変換するトランスレーターを開発。
既存のCOBOLコンパイラを利用しながら、プログラムをより構造的に記述できる環境を作りました。
これは、後のアプリケーション生成技術へとつながる取り組みの一つです。
当時のPCは画面の解像度が低く、一度に表示できる情報量が限られていました。
その制約を解決するため、複数のPCをシリアル通信で接続し、一つのマルチスクリーン環境として利用できるシステムを開発しました。
メインコンピュータには、Motorola 68000ボードを搭載した富士通FM-11を使用。
周辺の表示用コンピュータには富士通FM-7を利用し、それぞれでOS-9を動作させました。
メイン側ではウィンドウとマウスの論理座標を一元管理し、各PCにはウィンドウ生成や描画の命令を送信します。
画面の画像データを転送するのではなく、描画するための命令を転送する方式です。
マウスカーソルも複数画面を自由に移動でき、利用者には一台のコンピュータに複数のディスプレイが接続されているように見えました。
代表者の説明によると、この独自ウィンドウシステムは約3か月で実装しました。
当時のハードウェア性能では描画速度に大きな制約がありましたが、複数PCの表示と操作を統合するという構造を実際に動作させました。
その後は、SIerのR&D部門で、イメージ処理とアプリケーション構築アーキテクチャの研究開発を継続的に行っていました。
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代表者の説明に基づく概念図です。
その後、大手システムインテグレーターの研究開発部門などで、アプリケーション構築技術の研究開発に取り組みました。
1994年には、外資系生命保険会社向けの大規模営業支援システムを開発しました。
この開発では、画面設計、イベント処理、業務プログラムを分離し、それらを統合的に動作させる独自の仕組みを構築しました。
主な技術は次のとおりです。
NAPLPSの独自拡張: 画面の図形表現に加え、アニメーションも定義できる仕組みを開発。
専用エディタとデコーダ: デザイナーが画面を設計し、アプリケーションがその定義を利用できる環境を構築。
画面フィールドの抽出: 画面定義からフィールド情報と座標を取得し、アプリケーションの入出力と連携。
イベント駆動型仮想マシン: 画面遷移、イベント処理、業務プログラム呼び出しを独自命令体系で制御。
プログラムジェネレータ: 独自フォーマットの定義体から、仕様書とイベント処理プログラムの両方を生成。
業務ロジック: 日本の保険制度に対応する計算ロジックや保険料計算プログラムを独自に設計・開発。
プログラム生成部分では、EWS上でAWKを利用しました。
アプリケーションはWindows 3.0環境で動作させました。
ここで目指していたのは、個々の画面やイベント処理を一つずつプログラミングするのではなく、システムの振る舞いを定義し、その定義に基づいてプログラムを生成・実行することでした。
当時は、システム全体を関数で表現し、その内部ロジックも専用の言語で定義する構想を持っていました。
ただし、専用言語の完成までは時間が足りず、実際には独自定義体を利用した生成方式を採用しました。
構想した範囲と、実際に開発した範囲は区別しています。
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代表者の説明に基づく概念図です。
その後は、金融、流通、製造業など、さまざまな分野の業務システム開発に取り組みました。
指紋認証アルゴリズムの研究開発など、個別の技術開発も継続しています。
こうした経験を通じて、現実の業務システムが抱える複雑さや、長期間にわたって運用・改修する際の課題にも向き合ってきました。
詳細な案件実績は、既存の「代表者の開発実績」ページで紹介しています。
現在、AIの登場によって、研究開発の進め方が大きく変わり始めています。
以前は、新しい仕組みを考えても、関連技術の調査、仕様の具体化、プログラム開発、検証に多くの時間と人手が必要でした。
AIは、その過程を支援する強力な道具になっています。
技術の原理を調べ、異なる方法を比較し、設計を具体化し、プログラムを作り、実際に動かして検証する。
もちろん、AIの回答や生成したプログラムが正しいとは限りません。最終的な技術判断と検証は、人間が行います。
それでも、これまで大きな時間と費用が必要だった試行錯誤を、以前よりずっと小さな負担で進められるようになりました。
長年考えてきた構想を、再び自由に実装できる時代が来た。
現在のAqua Bouche Systemsでは、その環境を活かして、AI、アルゴリズム、業務システム、情報セキュリティ、IoTなど、さまざまな分野の研究開発と試作に取り組んでいます。
1980年代の構造化COBOL。
複数のPCを統合するウィンドウシステム。
1990年代のイベント駆動型仮想マシンとプログラムジェネレータ。
そして現在、業務の状態とイベントを定義して実行する「ことみち」。
技術も対象も異なりますが、その背景には共通する問題意識があります。ことみちは、業務状態遷移を中心とする新しい設計・開発プロジェクトです。
「人間が個々の処理を作り込む代わりに、仕組みそのものを定義できないだろうか?」
その問いを、現在も追い続けています。
Aqua Bouche Systemsの活動は、事業のための研究開発だけではありません。
発想研究所では、機械、エネルギー、航空、情報技術、社会制度など、さまざまな分野の疑問を原理から考えています。
すべてを製品にするつもりはありません。
考えた結果、実現できないと分かることにも価値があります。
そして、実際に作ってみたい構想が見つかれば、試作して確かめます。
考えることを楽しみ、動かすことを楽しみ、そこからまた次の疑問を見つける。
それが、Aqua Bouche Systemsの研究開発の原点です。